第7部分 (第5/5页)

頭に浮かんで、健人は頭を振った。

掴まれた左腕はまだ、痛みを健人に訴えている。それと同時に、映画館で掴まれた左手も共鳴するように健人に何かを訴えていた。

歩と言い合ってから、1ヵ月半が経った。二人の関係はあれから変わらず、家の中では仲の良いふりをして、それ以外では一切、口を利いていなかった。健人は朝早くに家を出なければいけなくなったと母親に言うと、母は何も疑わずに「そうなの」とだけ言って、歩と一緒に行かないことに口は挟まなかった。二人の間に何かあったなど、疑って�